ドローンの免許にかかる費用はいくら?国家資格を取得できるスクールの費用や試験内容を紹介!

  • 「ドローンの免許を取りたいけどどれくらい費用がかかるんだろう…」
  • 「ドローン免許の国家資格を取得するにはどれくらい費用が必要なんだろう…」
  • 「ドローンスクールの費用とか試験の内容とか前もって知っておきたい…」

この記事を読まれている方はこのような悩みを抱えているのではないでしょうか。この記事では、ドローンの免許を取得する際にかかる費用とその内訳について解説し、それぞれの資格のメリットについてご説明します。

また、免許を取るまでの流れや試験内容までわかりやすく説明するため、ぜひ最後までご覧ください。

ドローンの免許は2種類(民間資格・国家資格)

ドローンの免許は民間資格・国家資格の2種類です。ドローンを飛ばすには環境面における様々な条件や国土交通省へ飛行許可を取るなど様々な規定があります。

それぞれの資格の特徴について解説していきます。

民間資格

民間資格は、登録講習機関(ドローンスクール)で取得することができるドローンの免許です。各スクールによって取得できる認定資格が異なる場合があります。以下の表は各ドローンスクールで獲得できる認定資格の一覧です。

登録講習機関名取得できる認定資格
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)・無人航空機操縦技能証明証
・安全運航管理者証明証
・無人航空機安全運航管理者証明証
一般社団法人 日本ドローン協会(DJA)・UAV 3級操縦士技能証明(国交省認定資格)
・UAV 2級操縦士技能証明(国交省認定資格)
・UAV 1級操縦士技能証明(国交省認定資格)
・JDAインストラクター証明(JDA認定資格)
DJI CAMPスペシャリストDJI CAMP認定資格
(DJI公認ドローン保険が割引き待遇有)
一般社団法人国際無人航空機協議会(IAU)・無人航空機操縦技能認証
・無人航空機安全運航管理責任者認証

また、民間資格は飛行レベル3.5までの飛行が可能で、国家資格を保有していなくても従来の航空法に基づいてドローンを飛ばすことができます。飛行時は国土交通省から飛行許可を得る必要があるため無断で飛ばさないようにしましょう。

飛行レベルは以下の5つに分かれており、各レベルに飛行条件が設けられています。

飛行レベル概要飛行可能対象者
飛行レベル1目視内での操縦飛行(マニュアル操作)・民間資格
・国家資格
飛行レベル2目視内での自動・自律飛行(オートパイロット)・民間資格
・国家資格
飛行レベル3無人地帯での目視外飛行(立入管理措置が必要)・民間資格
・国家資格
飛行レベル3.5※無人地帯での目視外飛行(立入管理措置が不要)・民間資格
・国家資格
飛行レベル4有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(立入管理措置が不要)一等無人航空機操縦士のみ(国家資格)
※立入管理措置とは、無人航空機の飛行経路下において、第三者(無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者)の立入りを制限することを指します。補助者、看板、道路横断前に一時停止をして歩行者等の有無を確認する必要があります。

国家資格

国家資格は、「一等操縦ライセンス」(一等無人航空機操縦士)「二等操縦ライセンス」(二等無人航航空機操縦士)の2種類です。資格の取得方法は、指定試験機関に試験を受けに行くか登録講習機関で講習を受けてから試験を受けて資格を取得する2パターンになります。

国家資格の最大の特徴は、ドローンを飛行レベル4まで飛ばすことができる点です。これまで有人地帯でドローンを飛ばすことはできませんでした。

しかし、国家資格の「一等操縦ライセンス」の所持者に限り以下4つの要件を満たせばレベル4の飛行場所で飛ばすことができます

要件概要
機体登録制度・100g以上の機体を飛ばす際は機体登録が必須
・登録後はリモートIDを付ける義務がある
機体認証制度・ドローンの設計や製造、安全基準の検査のために設けられている制度
・「第一種」と「第二種」があり、レベル4飛行には「第一種」の認証が必要
ドローン操縦者のライセンス制度・ドローン飛行に必要な知識・能力があることを証明する制度
・レベル4飛行には「一等無人航空機操縦士」の取得が必須
運航ルール・ドローン飛行に共通した運航ルール
・レベル4飛行では、運航形態に応じた安全対策の実施、飛行マニュアルの作成などが必須

農業用ドローンの飛行に必要な免許とその費用・補助金

農業用ドローンを飛ばすためには、「ドローン操縦士技能証明証」と「物件投下」・「危険物輸送」の2つの技能証明書が必要です。

ドローン操縦士技能証明証はあくまでドローン飛行許可に必要な証明証であり、物件投下・危険物輸送は農業ドローンを飛行させるために必要な証明書であるため注意しましょう。

また、農業ドローンにはものづくり補助金小規模事業者持続化補助金の2種類の補助金があります。

小規模事業者持続化補助金の注意点として、補助金の対象者は消費者に直接的に販売することが条件となっており、JAなどへ販売している場合は補助金の対象外となるため要注意です。

補助金の種類対象者補助金の使途
ものづくり補助金・中小企業
・小規模事業者
・個人事業
・設備投資
主に新商品や新サービスの開発、生産プロセスの開発や生産性の向上を進めるなど
・ドローン購入
経費の2分の1、もしくは3分の2を補助
小規模事業者持続化補助金・小規模事業者・設備投資
・販路開拓
・業務効率化

ドローンの免許取得にかかる費用

ドローンの免許を取得する上で必要な資金は人によって異なります。ご自身の要望に応じて必要になる費用を確認してみましょう。

ドローン免許の国家資格を取る際にかかる費用

ドローン免許の国家資格を取得するには以下3点がかかると予想されます。すでにドローンの資格を持っている場合、費用に大幅な変動があるためよく確認しておきましょう。

  • 登録講習機関の費用
  • 試験にかかる費用
  • 交付にかかる費用

登録講習機関の費用

以下の表は登録講習機関でかかる費用の相場です。

表から見て取れるように、資格を所持しているか否かで費用に大幅な差分が生まれます。

資格レベル資格所持者にかかる費用初学者にかかる費用
一等無人航空機操縦士約28万円約110万円
二等無人航空機操縦士約12万円約30万円

試験にかかる費用

ドローンスクールの講習に参加すると指定試験機関における実地試験を免除することが可能です。その場合、受験費用は学科試験と身体検査で約15,000円程度かかることになります。

また、ドローンスクール内では試験があるため、試験費用に関しても各スクールによって差分があるでしょう。初回試験費用はほとんどのスクールの場合、受講料に含まれており、再受験の場合は別途費用がかかるため注意が必要です。

以下の表は試験にかかる費用の一覧です。

種別資格レベル・受験方法費用
学科試験一等9,900円
二等8,800円
実地試験(マルチローター)一等22,200円
一等(限定変更)20,800円
二等20,400円
二等(限定変更)19,800円
身体検査書類での受験5,200円
会場での受験19,900円

交付にかかる費用とドローン免許の更新費用

国家資格の交付費用は以下の通りです。国家資格の有効期限は取得から3年間で、期限までの更新が必要となります。

申請内容費用
新規申請3,000円
・再交付申請
・更新申請
・限定変更申請
2,850円
登録免許税(一等のみ)3,000円

ドローン免許の民間資格を取る際にかかる費用

ドローン免許の民間資格を取得するには登録講習機関に通う必要があり、各スクールによって受講料や資格証明書の発行費用が異なります。

以下の表は登録講習機関でかかる費用の相場です。

費用項目費用相場
受講料約10~40万円
証明証の発行料約1~2万円
資格更新料約6000~7000円

ドローン免許の国家資格をとるメリット

以下2点はドローン免許の国家資格を取得するメリットです。

  • 国家資格のドローン免許の所持者は物流関連の仕事で役立つ
  • ドローンの国家資格を取得すると免除される項目がある

国家資格には一等操縦ライセンスと二等操縦ライセンスの2種類があり、一等操縦ライセンスのみ飛行レベル4の飛行条件でドローンを飛ばせる点が特徴的です。

国家資格のドローン免許の所持者は物流関連の仕事で役立つ

国家資格の一等操縦ライセンスを取得すると、物流関連・インフラ点検など仕事で役立てることができます。

特に、物流関連は有人地帯でドローンを飛ばす(飛行レベル4)可能性があるため、一等操縦ライセンスを取得しておくと仕事上融通が利きやすくなるでしょう。

ドローンの国家資格を取得すると免除される項目がある

ドローン免許の国家資格を持っていると、国土交通省への飛行許可申請が不要になるケースがあります。二等操縦ライセンスは以下の条件下であれば飛行申請は不要です。

飛行申請が必要な場所飛行申請が不要な場所
・空港周辺
・高度150m以上
・イベント上空
・危険物輸送
・物件投下
・人口集中地区での飛行
・無人地帯での夜間飛行
・無人地帯での目視外飛行
・人や物件との距離30m未満での飛行 など

また、先に述べましたが一等ライセンスであっても、飛行レベル4における飛行は以下の要件を満たす必要があります。

要件概要
機体登録制度・100g以上の機体を飛ばす際は機体登録が必須
・登録後はリモートIDを付ける義務がある
機体認証制度・ドローンの設計や製造、安全基準の検査のために設けられている制度
・「第一種」と「第二種」があり、レベル4飛行には「第一種」の認証が必要
ドローン操縦者のライセンス制度・ドローン飛行に必要な知識・能力があることを証明する制度
・レベル4飛行には「一等無人航空機操縦士」の取得が必須
運航ルール・ドローン飛行に共通した運航ルール
・レベル4飛行では、運航形態に応じた安全対策の実施、飛行マニュアルの作成などが必須

ドローン国家資格の取り方

ドローン国家資格を取得するには以下の2パターンの方法があります。

  1. 登録講習機関で講習を受けてから指定試験機関で受験する
  2. 登録講習機関には通わず、指定試験期間で受験する

学科試験や実地試験など各試験を通過した後、合格すると資格の証明証が発行されます。

ドローン国家資格の試験

指定試験機関とは、「一般財団法人 日本海事協会」のことを指します。指定試験機関では以下3点が実施されますが、登録講習機関で講習を受けた修了生は実地試験を免除されることがポイントです。

  • 学科試験
  • 実地試験
  • 身体検査(視力・色覚・聴力検査等)

ドローン国家資格の試験内容

試験科目は以下の通りです。

  • 昼間飛行+目視内飛行
  • 最大離陸重量25kg以上の無人航空機
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行

ドローン免許の難易度は難しいのか

登録講習機関へ通わず、受験する場合は知識・飛行経験がないと難しいかもしれません。

しかし、登録講習機関でドローンの免許を取得する場合は、資格保有の講師のもと直接指導してくれたり、充実した学科試験の対策やサポートが完備されているため比較的合格しやすいでしょう。

ドローン国家資格の試験合格率は高いのか

試験の合格率は各登録講習機関によって変動があるため一概に申し上げることはできませんが、某ドローンスクールの2024年1月時点における実地試験の合格率は67%と約7割の受講者が合格しています。

ドローンに関するよくある質問

Q. ドローン免許の取得にかかる費用が安いスクールや安くするためのコツはありますか?

取得する資格の種類によって差分はありますが、DJI CAMPは受講料が5~10万円と安いスクールの1つです。

また、すでに民間資格を持っている、もしくは一等操縦ライセンスを取りたい方で二等操縦ライセンスを持っている方はスクール費用が安くなる傾向があります

Q. ドローンを飛ばすのに免許がいらないって本当ですか?

ドローンを操縦する上で必ず必要となる免許はありません。

しかし、飛行場所や飛行用途に応じて複雑なルールがあるため、国土交通省に飛行許可を取るなどルールを守ってドローンを飛ばすようにしてください。

Q. ドローンの資格はどれがいいですか?国家資格と民間資格の違いを教えてください。

ドローンの使用用途に応じて決めることをおすすめします。

例えば、仕事上飛行レベル4の飛行条件でドローンを利用したい方は必ず国家資格である一等操縦ライセンスを取得してください。

また、飛行レベル3以下で国土交通省にドローンを飛ばすたびに飛行許可を取ることが面倒でない方や費用を抑えたい方は民間資格を取ることをおすすめします。

まとめ

この記事では、ドローンの免許取得にかかる費用について解説してきました。ドローンの免許は国家資格と民間資格の2種類があり、それぞれ取得費用が異なります。

また、国家資格(一等操縦ライセンス)を取得すると物流系やインフラ点検等でドローンを利用することができ、このような仕事で活用したい方は国家資格(一等操縦ライセンス)を取っておいて損はありません。

国家資格取得の流れや試験内容についてもこの記事で詳しく解説しているため、見逃してしまった方はぜひご覧になってください。